事業概要
精度検証が可能な国内一例目の試験サイト
神戸大学では、2024年4月より、むつ小川原洋上風況観測試験サイトの本格的な運営を開始しました。本試験サイトでは、風況観測に利用するリモートセンシング機器の精度検証を行うための設備を一般利用者に開放しています。 当施設は、NEDO「洋上風況観測にかかる試験サイトのモデル検討・構築」事業(2022~2023年度)の下で青森県むつ小川原港湾内に整備されたもので、NEDO「洋上風況調査手法の確立」事業(2019~2022年度)では現場観測の主サイトとして利用されました。同事業で作成された「NEDO洋上風況観測ガイドブック」では、国内の洋上風力発電事業で使用されるリモートセンシング機器に対して事前の精度検証が求められており、当施設は、この精度検証が可能な国内一例目の試験サイトとして整備されています。
設備を一般利用者に開放し、観測データを提供
2023年度は、上記NEDO事業の下で、主に風況調査用リモートセンシング機器の精度検証を目的として、設備を一般利用者に開放すると共に、洋上風況観測マスト等の観測データを提供してきました。2024年度以降は、神戸大学に加え、新たに設立された「一般社団法人むつ小川原海洋気象観測センター」との共同運営体制の下、風力発電事業の関係者(発電事業者、観測業者 等)、研究開発プロジェクト(風況、気象、生態系、環境 等)、地元関係者(港湾安全、教育活用 等)が広く利用できる公的な試験サイトの構築を目指してまいります。
事業内容
1. 風況観測機器等の精度検証
風力発電のための風況調査に用いられるドップラーライダー機器を始めとした精度検証のために、試験サイトを提供します。これらの精度検証レポートを当法人(MOC)から発行することも可能です。
洋上風況観測手法
2.研究開発・教育利用
例えば、以下のような研究開発に役立つ洋上研究プラットフォームとして、ご利用いただけます。また、観測データを活用し、神戸大学と連携した共同研究や学生らへの教育機会の場を創出します。
研究開発テーマ事例:
- 風況調査用の観測機器や数値モデル
- 気象・海象用の観測機器・数値モデル
- その他(気象、海象、環境、生態系、寒冷地・重塩害環境下での実験など)
3.地域貢献
本試験サイトで観測された気象・海象データを使用して、海域利用のための情報提供を行います。また、青森県内の学術機関との共同研究を実施し、教育施設としても提供します。